今夜、君に月をあげる。








「…でもな、鈴木って平凡なんだよな〜!」




両手に水を入れたコップを持って席にかえると、コップの持ち主が僕の悪口を言っていたので水をかけようか本気で迷う。




その衝動をぐっと抑えて、元々の自分の席に座ろうとすると、僕の姿が見えた松坂が絵に描いたように慌てた。




「…おい、いつからいたんだよ!?」



「松坂が絶賛僕の悪口を言っていた時から。」



「…いや、あれは悪口じゃなくてだなぁ。」



「悪口じゃなくて?なに?」



「………すみませんでした。」




頭を下げた松坂に「それでよし。」と声をかけてコップを差し出す。



沙月のプレートにもコップを乗せると、「ありがとう!」と言われた。




「で、何の話してたの?」



「そ、れ、は、鈴木には秘密だぜぇ〜!!へへっ!」




急に元気になった松坂にイラっとする。




やっぱりさっき水ぶっかけておくべきだった。