今夜、君に月をあげる。








「…僕は松坂みたいに漢!って感じに中学の時は憧れてた。」



「俺は昔からゴツかったから逆に鈴木みたいな男に憧れたぜ?やっぱ女子にキャーキャー言われるのってそういうタイプだったし。」



「夢を壊すようだけどキャーキャー言われたことないよ」



「お前がそう思ってるだけで案外言われてるかも知んねえよ?お前は結構イケメンなんだし。」




松坂のお世辞にまた少し肩をすくめて、グラスに入れていたオレンジジュースを口に含んだ。




…ドリンクバーでオレンジジュースを選んだ瞬間、松坂に「可愛すぎんだろ!」ってツッコまれたけど。




そんなことを思いながら、携帯を出そうと制服のポケットを漁る。




……、…あれ?



まさかと思って、カバンを探してみてもこれっぽっちも見つからない。




「…松坂悪いけど僕の携帯鳴らしてもらっていい?」



「いいけど…、まさか忘れたのか?」



「これで忘れてたら2日連続で忘れ物を学校に取りに行くハメだよ。」



「そしたら指差して笑ってやるから安心しろ。」




松坂にイラっとしながらも鳴らしてもらうのを待つ。




…けど、一向に聞き慣れた着信音は聞こえない。




「…松坂鳴らしてる?」



「結構長く鳴らしてるけど」




嘘だって誰か言ってくれ。