「で、1番重要なこと聞いてねえよ。」
「…え、なにが。」
もう全部言い終わって帰るのかと思ってた。
確かにまだ言ってないこともあるけれど、これはさすがに沙月の許可が必要なものだろう。
松坂から発せられる言葉を少しだけ身構えて待つ。
「何がって、……月光の姫のことお前どう思ってんだよ、好きなんだろ?」
「…………………は?」
予想もしていなかった方面からの質問が飛んできて、思わず間抜けな一言を発してしまった。
…いや、僕が沙月を好きってどういうことだよ。
「…そんなんじゃないから。」
「照れんなって。別にいいんじゃねえの。相手は超絶美人の高嶺の花ならぬ月光の姫だけど。お前かなりかっこいいんだから釣り合うって。」
「…だから…。」
松坂がニヤニヤとお世辞をかましてきて、呆れそうになる。
だから、本当に僕と沙月はそんなんじゃないのに。
「だってあんなに仲よさそうでお互いが必要って感じがするのに、そんなんじゃないって説得力ねえぞー!」
「友達だってそんなもんじゃないの。」
「じゃあお前は俺のこと必要って感じを出してるのかよ!」
「必要って思ってるよ。松坂は僕にとって大切な人だからね。」
「やめろよ今ときめいたじゃねえか。赤い実が弾ける寸前だったわ。」
胸を押さえた松坂を冷めた目で見てから、「質問はそれだけ?」と立ち上がる。
雪花さんがいるとはいえ、少し沙月が心配だった。
立ち上がった僕を見て慌てて松坂も付いてくる。
「えーー、ねえ鈴木ーー。面白い展開にしてくれないのーーー。」
前言撤回。やっぱり松坂っていつもめんどくさい。


