今夜、君に月をあげる。





「ふうん、それはわかった。で、それから何回か会ったことあるってことか?」



「…まあ。」



「それで仲良くなったってわけねー。なるほど。」




ふむふむと頷いた松坂に目を開く。



なんか、もっとこう…。




「怒られるかと思ってた。」



「は?なんでだよ。」



「…だって、なんで言ってくれなかったんだよ。とか。」





僕の言葉にハハッと笑って、顎をさすった。



それから肩をすくめられる。




「そんなこと言うわけねえだろ、鈴木が言わなかったのだって何か言いづらい事情があったんだろうし、仕方ねえよ。そこを責めたりしねえ。」



「松坂……。」




暖かい言の葉が僕に届いて、きゅっと唇を噛み締める。




そんなことをしても、口角が上がってしまうのがわかった。




松坂って時々めんどくさいけど、やっぱり本当に、いいやつだ。