今夜、君に月をあげる。







「──…で?」



「で?って言われても…、松坂は何が聞きたいの。」



「全部に決まってんだろ!」



「全部って抽象的すぎるでしょ…。」




項垂れそうになるのをなんとか我慢して考える。



コモンスペースのベンチ型の椅子に座って、左隣に座っている松坂を見つめた。



雪花さんに言ったみたいに誤魔化すと、松坂の場合問い詰めてきそうだからなぁ。



なるべく正直に話すしかないか。




「…沙月と出会ったのはつい最近だよ。」



「最近って?どれくらいだ?」



「…今月の本当に始め。9月1日とかじゃなかったかな。」





こう考えると沙月に会ってから本当に少ししか経ってないんだよな。



なんか、もっと一緒にいるような気がする。




「…僕が学校に2日連続で忘れ物した日あったでしょ、その時に意図せずに会ったんだ。」



「…なんで月光の姫は夜に学校に来てたんだよ。」



「そこは、僕も詳しくは知らないけど。」




前に聞いたときはこの時間しか来れなかったって言っていたけど、核心に触れた回答ではなかっただろう。