今夜、君に月をあげる。






「はぁ…。わかった、話すから。コモンスペース行こう。」



「そうこなくっちゃな!!」




ガッと肩に腕を組んで逃げられなくした松坂を横目で見て、沙月へと視線をうつす。




視界の隅にこっちに来ようとしている雪花さんが見えたから、大丈夫かなと思った。




「沙月、ちょっと松坂とコモンスペース行ってくる。」



「えええー…、すずくん行っちゃうのー…。」



「雪花さんいるから大丈夫だよ。」



「わかった、ちゃんと戻ってきてね。」




ヘヘッと笑った彼女に頷くと、すっと首元の手から解放される。



驚いて振り向くと、松坂が両手で顔を抑えて悶えていた。




いちいち動きが大きいんだよ…。




「松坂、置いてくよ。」



「待てよ鈴木ぃ!!」




さっさと終わらせたくて歩き始めた僕に、後ろから追いつく。




ほんと、無駄に足長いのなんなの。