今夜、君に月をあげる。








「沙月の席は、…って知ってるんだっけ。」




以前に自分の席に座っていたことを思い出して、説明を取りやめる。




僕の質問に、ふふっと笑って、頷いた。





「すずくんも確か1番後ろの席なんだよねー?」




「そうだよ、沙月とは3列離れてるけど。」




ムッとした彼女に、してやったりという気持ちで席に座る。




…なんか最近僕おかしいな。なんか、僕らしくないというか。




沙月と出会ってから心地よい変化もあったけれど、今みたいに子供みたいな気持ちになることもある。




沙月の素直で天真爛漫なところが伝染しただけだといいんだけど。





そんなことを悶々と考えていると、先生が入ってきて本鈴が鳴り響いた。