演劇の練習をし始めて一週間が経とうとしていた。


「今日は朝のホームルーム使ってそれぞれの進行度を確認したいと思います。」


私たちは相変わらずのまま。


どうもあの感じに慣れる事が出来ない。


「はい、十波。練習するよ!」


本当にこのままで良いのか、と考え始めたその時、


    ガラッ!


教室の扉が勢いよく開き、先生が口をパクパクさせていた。


「……」


皆が一斉に静かになる。


「みんな…演劇大会が…延期になった。」


先生から飛び出した言葉に、耳を疑った。


「何でですか、先生。」


すずのちゃんが、私たちの心を代弁してくれる。


「色々な事情が…あってだな。」


「何、その色々って」


七ちゃんが小さな声で呟いたけど、それは先生には届かなかったみたいだ。