クーデレ君と微妙な関係

「……」


教室に謎の静けさが訪れる。


全員を見渡してみると、視線は見事に新ちゃんのものになっていた。


「九重があんな大声出したの初めて聞いた」


どうやら、他の皆の視線の理由も同じようで。


「し、新ちゃん…?」


声をかけてみるとギロリと睨まれた。


「ひっ……!」


そのあまりのすごさに、変な声が漏れた。


一気に機嫌悪くなったなぁ…、なんて感心してる場合じゃなくて!


「もう良いよね、決定で。」


そんな新ちゃんの迫力に屈していない者がひとり。


スゴい、スゴいぞ、すずのちゃん。


「チッ……」


新ちゃんは小さく舌打ちをして、


「好きにしろよ……」


と、やる気ない声で言って、机に突っ伏してしまった。


「小松さんも良い?」


皆の視線が刺さるように痛い。


この場で断るなんて私には出来ない。


「あ…はい。」


言ってから後悔した。