クーデレ君と微妙な関係

「まぁ、なにやっても面倒だし。良いじゃん、一回くらいはじけとけば?」


「何言ってるの?」


ただそれだけを言い残して、自分の席に帰っていった。


(意味…分かんないし……)


モヤモヤしたものは、そのうちすぐに晴れる事になった。




「ほんじゃあ、役割決めていくね~」


学級委員のすずのちゃんが、テキパキと仕事を進めていくのを、ぼーっと眺める。


「投票で一番多かったのは、脚本のイリナちゃんだね。決定で良い?」


「いいよ。任せて!」


イリナちゃんは、国語の成績が学年一位だから選ばれたっぽい。確かに、文章を書いたら右に出るものはいないだろな。


皆が口々に呟く。


「主役は誰がやるんだろうな!」


「ここは大賞狙いたいし、美男美女でいくんじゃね?」


(盛り上がってるなぁ……)


「あぁ、ここで何だけどさ、台本にキスシーン入れるから。ってイリナちゃん言ってるけど…いいよね?」


あぁ、キスシーン……ってええっ‼