──話し終わる頃には、少し気持ちが楽になっていた。
「ごめんね、思ってたよりも話、長くなっちゃって…」
「十波っ!」
いきなり七ちゃんに大きな声で呼ばれて、心拍数が上がった。
「な、何?」
「今の話聞いて思った。アンタは何も悪くない。なのに、勝手に大事なモノ捨てて……何やってんの!」
「大事なモノって……何?」
分かってる。でもあえて聞く。
「人を好きになることだよ!」
これで、乗り越えられそうな気がする。
「自分で…自分に蓋してどうすんの……」
「うん、そうだね。」
私は間違ってた。
それを肯定するのが怖かった。
でも、今は七ちゃんがいる。こうやって、全力で私とぶつかってくれる友達がいる。
「だから、今日からこんな事言うの、やめるね」
「うん。そうしな」
肩にのっていた重いモノがとれた。
気づいたら、涙が溢れていた。



