時計は正午。
玄関の扉が開いた。
「ただいまー」
本来コイツの隣にいるべき今の相手。
昼ドラ的展開じゃね…このシチュエーション。
「今日帰ってくるの遅いんじゃなかったの?ちょっと早すぎない?びっくりしたよ」
しわ1つない、ピシッとした黒いスーツに身を包む男の元へ藍蘭が駆け寄る。
「……あなた、誰ですか?」
俺をギロリと睨み、やや棘のある声で言ったその男は、悔しいけど顔はなかなかだった。
「高校のときの友達。遊びに来てくれたんだ」
「そ。ありがとうございます。この度は妻がご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「別に、迷惑ではなかったですよ。じゃ、帰るわ」
「うん。また遊びに来てねぇ」



