「まぁくつろいでいって。今日はあの人、遅くまで帰ってこないし」
そんなに長居するつもりもないし、念のためと言ってはなんだけど午前中に来た。
二つある椅子の片方に手をかけて座る。
「…なぁ、なんで結婚なんかしたんだ?」
卓上を飾る写真の中で、幸せそうに微笑んでいる二人を見て思わず。
「そんなこと訊く?そりゃ…この人だ!って思ったからでしょ」
大きな身振り手振りとともに全力で返事をしてくれる。
それがたとえどんなに面白くない話であっても、同じ。
俺はこいつのそんな優しいとこに惚れたんだ。
「そんなこと言って、また捨てるんじゃねぇの?」
「あ…あれは、ごめんね」



