座る紅真の首に腕を回す七草。


2人とも幸せそうにしやがって。


ていうか…そろそろ本気でやばいんだけど。


十波から漂う、花と柑橘を混ぜたような香りがオレの理性をぶっ飛ばした。


「十波、ちょっと痛いかもだけど我慢な」

「!………いっ…」


露わになっている首筋に強く吸いつく。


咬み痕は十波の白い肌によく映えていた。


「新ちゃん…今…」

「家の人に見せんなよー。特に理玖には」




触れたいと思ってんのは、お前だけじゃねぇよ。


前みたいな中途半端な関係でもよかったけど

誰かに盗られる心配とかしたくねぇし。


頼むから、これからも『彼女』としてオレの傍にいて、

『彼氏』としてオレを傍に置いておいてほしいな。
                        



          Fin.