そういや前にもこんなことあったなぁなんて。
1時間やり続けたけど、十波がオレに一勝でもできた試しはなし。
まぁオレがやりこんでるっていうのもあるんだろうけど、にしても弱すぎる。
「よくそれでオレに勝つとか言えたよな」
「うるさいなぁもう。ねぇ、ちょっと操作覚えたいからさ」
おもむろに立ち上がって、胡坐をかいていたオレの足の間にちょこんと座る。
「手伝ってよ」
にやりと口元に笑みを浮かべ、オレにもたれかかってきた。
「お前…最初からそれが目的か?」
「正解。私だってくっつきたいもんねー」
ほら、と十波が自分のスマホを見せてくる。
「七ちゃんのとこも楽しそうにしてるでしょ?距離ちかーい」