「おー、姉ちゃん帰ってきたの」


「ただいま。」


リビングで晩ご飯をむしゃむしゃ食べていたのは、私の弟。


「理玖(りく)…アンタよく食べるわね…」


お母さんが青い顔をする。


「だって部活でおなか空いてたんだもん!」


お母さんが『食費が…』って毎日言ってる意味が分かった。


「それ…ご飯何杯目?」


「まだ三杯目だよ」


「はぁ!?」


育ち盛りの中学生ってこんなものなのかな?


「ふふっ」


「何笑ってんの姉ちゃん、気持ち悪いよ」


そこまで言うか。


「いやー、何も。今日も平和だなと思って」


「そりゃ…家で戦争とかあったらイヤでしょ…」


「そういう意味じゃなくて!」


そういえば、近所の理玖と同い年の子に、


『理玖くんって、クラスに好きな子がいるらしいよ』


って教えてもらったんだった。


言ったら怒られるだろうから、絶対に言わないけど…。