クーデレ君と微妙な関係

次の日の昼休み、七ちゃんが私の席の前に座ってイチゴミルクを飲んでいる。


「毎日飲んでてよく飽きないね」


「そりゃ、ね。大好物は止められない!」


適当に相槌を打ちながら、昨日あったことを思い出す。


ちらと新ちゃんの方を見てみると、紅真くんが一生懸命何かを話しているところだった。


「何、どうしたの十波」


「いや、こないだ七ちゃんは新ちゃんの事クールって言ったよね?」


「うん…そうだけど、それが何?」


「あれ、違ったみたい」


ポトっと七ちゃんの手から空になったパックが落ちた。


「なわけないでしょ。あれはどう見ても筋金入りのクール男子だって」


「……」


ほんとにそうなのかな…?


普通に話してくれたし、むしろ普通より優しかったような。


「十波がそこまで言うなら、何があってそういう結論にたどり着いたのか聞いてあげてもいいよ。」


えらく上からモノ言うじゃない、と私が呟くと


「ごめん、あたしが聞きたい。聞かせて?お願い」


なんて珍しく可愛いおねだりの方法で攻めてきた。