クーデレ君と微妙な関係

【十波side】



176センチの身長。

左耳に付いた黒の華奢なピアス。

ふわふわしたミルクブラウンの髪。

少し着崩された制服。


何一つあの頃と変わってない。


彩葉が視界に入った瞬間、あの時の光景がフラッシュバックした。


「あ……彩葉…」


ただ彼の名前を口にすることしかできない。気づけば足は震えていて立っているのがやっと。

指先は冷たくなってしまうほど強く新ちゃんの腕を握ってしまっていた。


「久しぶりだね十波。元気してた?」


隣にいるあとりちゃんのことなんて見えてなんかないように私のところに近寄ってくる。


向けられる懐かしい笑顔に心臓がぎゅっと締め付けられる感覚に襲われた。