十波の小さい手のひらを握りしめながら歩くこと数十分、もうすぐで十波とお別れ。 「なんか…今日早くなかった?」 「なにが?」 「帰り道も、1日も」 ほんと……コイツは惜しげもなく恥ずかしいことを言うから困る。 じわりと自分の耳が熱くなるのを感じながら、十波から目を逸らした。 目の前に一本の長い、長い道路。ずっと奥まで続いていて、向こうの方からカップルが歩いてきた。 早く別れないとな…。 「十波、そろそろ手離して。前から人来た」 「あ、ほんとだ。………って……え?」