クーデレ君と微妙な関係

「ん。こっちの作業終わった」


「ありがとう!」


手際のいい新ちゃんが助っ人に来てくれたおかげで、終わらないだろうと思っていたものが時間を余裕に残して終わった。


「別に…そんな喜ばなくったっていいだろ。尻尾見えてんぞ」


「犬じゃないし」


上靴の踵を踏んだままの新ちゃんを見て思った。


「新ちゃん…部活抜けてきちゃってよかったの?」


「あー、ほんとだな。まぁでも手伝いしてましたって言って怒られたら、それこそ怒らないとだよな」


そう…だよね。


「どうかしたか?」


心配そうな顔で覗き込んでくる新ちゃんに、ふっと心臓が跳ねた。


「い、いや!なんでもない!」


ありがとう、と最後に付け加えると、


「お疲れさん」


ぽんと大きな手が頭に振ってきた。


「っ……」


触れた手のひらから私のとは比べ物にならないくらいの、

何か大きなものを感じた。