クーデレ君と微妙な関係

「そう。いらないって言ってんのに…今日遊んだ印だとかいってムリヤリ、ね」


前島が自分のところに帰ってくるとは限らないのに、どこからそんな自信が湧いてくるのかが不思議でならない。


前島は手首の飾りを外し、ため息と一緒にカバンへ放り込んだ。


「ま、なんかある前に手近な男呼べよ。オレじゃないやつでな」


キッとオレを睨む前島の横を通り過ぎると、後ろからそれほど大きくもないが良く通る声で怒鳴りつけられた。



「アンタは黙って十波でも守ってなさい!!」



…たまにはかっけぇこと言うじゃん。


恥ずかしくて振り返ることなんてできなかったけど、了承の意として左手をひらひらと振っておく。


これもどうせカッコつけとか言われんだろ?

ちげぇよ、照れ隠しだし。


さてと…


「どうしたもんかな……」


オレは一人、誰もいないはずの帰り道でポツリと呟いた。