クーデレ君と微妙な関係

「じゃ、オレ英語の分やるから。十波その作業続けてな」


少しの間私の動きをじっと見つめていた新ちゃんが、いきなり口を開いた。


「あ…うん」


別人みたい…。


人と関わるの、イヤなんじゃなかったの?


でも、少し顔を上げると冷たさをどこかに捨ててきたかのような新ちゃんの茶色い瞳があった。


「何か…新ちゃん、変わったよね」


「そうか?」


これを口に出さずにはいられなかった。


「十波、オレの事分かんなかったんだって?」


「ちっ…違うもん!」


「何がちげーんだよ」


それは…別にいいじゃん!今掘り返さなくったって!


「新ちゃん、自分のこと『オレ』って言うようになったんだね。昔は自分のこと『ぼく』なんて言ってたのに。」


「別にいいだろ。」


垢抜けてない感じが可愛いのに。


ちょっと拗ねたようにみせる新ちゃんは、やっぱりどこか違う人のようだった。