クーデレ君と微妙な関係

疑心暗鬼になりながらも自分の家を目指し歩をすすめる。心なしかいつもよりペースは速い。


少し息も上がってきた頃、狭い四つ角を曲がると、いつもの顔とばったり出会ってしまった。


「っ…と、前島か…」


「何よ…びっくりしたじゃない」


一瞬目をぱちくりと大きく見開き、そのままケータイをいじり始める前島。


指を液晶の上で踊らせ、こっちを見ようともしない。そんな前島にオレは珍しく自分から声をかけた。


「朝言ってた奴と会ってたのか?」


返ってきたのは大きなため息一つ。


「……そうよ。特にこれといって収穫なんてなかったけどね。相変わらずって感じだった。

時間が経てばマシになるかなと思ってたけど、人間そう簡単に人格は変わらないのね」


相変わらずのクズ人間だったわ、と最後に吐き捨てる。


生憎、前島よりオレの方が身長が高い。だからこいつがオレの目の前でケータイをいじる限り、内容は全て筒抜けってわけだ。


『今日楽しかった!!
また放課後一緒に遊びに行けたら…なんて!』