クーデレ君と微妙な関係




「新ちゃん…今日の朝大変だったみたいだね」


帰り、二人きりの小道で十波がつぶやいた。


「別に…大したことじゃねぇから。気にすんな」


所詮前島の悪ふざけだ、と付け加えようと思っていたが、
隣を歩いていた十波がいきなり視界の真正面に飛び込んできたせいでオレは言い訳をしなくてもいいことになった。


「気になんかしてないよ。別に、新ちゃんが何をしてようと私には関係ないしね!」


確かに、ごもっともな意見。


「まぁそうだな。」


「えへへ。
 そういや、七ちゃんと紅真くん本屋さん寄って帰るって言ってたね。私も行きたかったなぁ…」


十波が何事もなかったかのようにオレの隣に戻ってきたかと思えば、惜しそうに言った。


「また今度な。お前本屋行ったら二時間は動かねぇから余裕あるときに行かないと大変なことになんだよ」


「ちぇぇ…。イジワル。」


「そんな顔してもムダ。ほら、もうすぐ着くぞ」


毎日とはいかないが週に何回か、こうして十波を家まで送っている。


そして毎回、何気なく振り向いたお前が大人びて見えたり、可愛く見えたりして…。


オレの心臓は一瞬にして手を付けられないほどに暴れだす。