【新也side】 2学期が始まった。 まだ暑く、少し歩くと汗ばんでシャツが肌にまとわりつく。 「新也おはよ…あっついね」 誰かに肩をいきなり掴まれ、驚いて振り向くとシャツのボタンを2つも開け、額が汗でびっしょりになっている紅真だった。 「暑い…さわんな…」 肩に乗る手を払い除け、教室の冷たい空気を求めて足を進める。 「そんなに急がなくても……あ、そういや新也」 「なに?」 「あれから十波と連絡って取った?」