クーデレ君と微妙な関係

背後に鋭い視線を感じながら部屋の扉を開けた。


──ガチャ…。


部屋いっぱいに沈黙が流れる。


フラフラと視線が彷徨う。足元には昼間にはなかった2枚の真っ白い、シワ1つない布団があった。


「あ、あのさ、新ちゃ…」


口を開いた瞬間、敷いてあった手前の布団に倒れ込んでしまった。


恐る恐る瞑っていた目を開けると、目の前にはキレイな茶色い瞳。


「なに…されてんだよ…」


少し掠れた声が降ってくる。


「別に何もされてないよ。ちゃんと紅真くんが助けてくれたし、ちょっと怖かったけど大丈夫!……ほんとに、何も…されてないから……」


ダメ…今泣いちゃ…ダメなのに。


「離して…よ。顔、見られたくない」


涙が目の横を伝ってポトリと布団にシミを作った。


「ほんとに…離してよ、ねぇ…?」


滲んだ視界に、ぼんやりと新ちゃんがうつる。


「お前なんか、嫌いだよ」