クーデレ君と微妙な関係

背後から聞こえた飄々とした声。


「紅真!」


七ちゃんは金縛りが解けたようで、そのまま紅真くんの元まで走っていってしまった。


「なんだよ男連れかよ。まさか…お前も?」


「私は…」


彼の姿が見当たらない。いつも何かあったとき、私を優しくない言葉で慰めてくれるアイツが…いない。


「その子も。俺らの友だちだから手なんか出したら許さないよ」


「なんだよ友情ごっこか?最近の学生はませてんな」


「友情ごっこって…。今どき小学生でもそんなのつまんないからってやらないよ」


「は?お前何調子乗ってんの?死にたいわけ?」


「まだ死にたくはないなぁ。もうちょっとだけ長生きしたいかも」


2人の会話は微妙に噛み合っていない。


どんどん相手のイライラは募っていくばかりだけれど、紅真くんは笑顔を絶やさない。


「チッ、なんだよこのガキ」


すぐ横にあった香水のにおいが消えた。


「十波。もう大丈夫だよ」


ゆっくりと私の横に歩み寄ってきた紅真くんが私の背中を優しくさすってくれる。


「落ち着いて。部屋戻ってお風呂入ってきな」


優しい声に、さっきまでの張り詰めていた緊張の糸が切られてしまった。


「……っ………」