クーデレ君と微妙な関係

「そんなことないよ。紅真くんだってかっこいいじゃん」


ミラー越しに見える綺麗な茶髪、前髪はアシンメトリーか。


シックな服装。飾りすぎでもなく、かといって素っ気なさすぎるわけでもない。


「お兄さん、正に大人の男って感じっす!」


べた褒めだな。隣で七ちゃんが口を膨らませている。


「おい紅真。その手退けろ」


私の頭の上にちらっと視線を飛ばした新ちゃん。


「あーごめんごめん。重かったよね十波」


「別にいいけど…」


紅真くんが手を退けると同時に、スッと頭が軽くなった。


「あんま触んなよな」


ボソッと誰かが言った。


大丈夫、聞こえない聞こえない。


「ははッ、いいねぇ青春。ほら着いたよ」


広い海、大きな旅館、大自然。


「思う存分青春してきなさいな」