クーデレ君と微妙な関係

練習が終わって、1人帰り道をただ黙々と歩いていると数人の女子の声が耳に届いた。


全て、聞き慣れた声。


腕時計を確認してみると青いシャープな長針は7時を指していた。


「こんな遅くまで何してんだよ…バカ十波」


部活もしてないのにこんな時間まで外にいるってことは、前島たちと遊んでたってことだろう。


しかも十波の家はここから少し距離がある。


オレはともかく、アイツ1人で帰るなんて少々危なすぎると思うんだが。


本人たちは何も考えていなかったのか、もしかしたら考えた上での…。


「…自意識過剰すぎんだろ、オレ」


ブンブンと頭を振って思考をリセットする。


十波は前島ほど目をひかれる容姿をしているわけじゃない。


だから大丈夫、1人で帰ったって何ら問題はない。


本人に聞かれたら間違いなく怒られるであろう理屈を自分に言い聞かせていると背中を小さな手が押した。


「えいっ!」


可愛らしい声の主はさっきまでオレを悩ませていた種。


「なんだよ、バカ十波」


前言撤回。


なんだこの兵器並みの可愛さは……。