クーデレ君と微妙な関係

終礼が終わって、皆がゾロゾロ帰っていく頃。


「小松ー。ちょっとこっち来てくれ!」


「何か悪い事でもしたの、十波」


先生に名前を呼ばれる。


滅多にない事なだけあって、七ちゃんの心配が感じられる。


「ごめん、長引いたらイヤだし七ちゃん先帰ってていいよ」


「あ、そう?じゃあ本屋はまた今度行こっか」


結構楽しみだったんだけどな…本屋さん。


「何ですか?私何かしました?」


「おいおい…先生に呼ばれるってだけで悪いことしたって思うって…俺らの評判どうなってんだよ」


私たちの担任は若い先生で、気軽に話す事が出来る。


でも、怒るとものすごく怖い。


「小松、お前一年の時学級代表やってたろ?それで頼みがあるんだけど…」


え、もしかして。


先生が机に山積みになっている紙の束を指差す。


「これ春休みの宿題なんだけど、提出の有無の確認よろしく。先生今から会議あるから」


そう言って、クラスの名簿を渡す。


「えええーー!」


私が大声で叫んだときには、教室にはもう誰もいなかった。