何を着るか悩む。


どうせクローゼットの中をくまなく確認するんだから、と思ってついでに衣替えもした。


もう気づけば夏が迫ってきている。


「これにしよ」


手に取ったのは、袖に少しフリルがついた淡い水色のチュニックと、白のカプリパンツ。


「これにサンダルとか可愛いよね」


爽やかじゃん、我ながら。と心の中で自画自賛。


「あ、もう時間じゃん」


迎えに行くと言ってもらったけど、さすがに恥ずかしかったのでそれはやめてもらうことにした。




駅に行くと、制服じゃない新ちゃんが柱にもたれかかるようにして立っていた。


「ごめんね、ちょっと遅れた」


ほんとは遅れてなんかないけど、とりあえずこう言っておくべきかなと思う。


「ん、別に遅れてねぇし」


白のシャツに、カーゴパンツ。一見するとラフな格好だけど、着る人によるらしい。


「気合入ってんね」