「だってぇ…」


自分がめんどくさい。


こんなにウザかったっけ、自分。


「十波からアクション仕掛けたらどうなの?」


「アクションって?例えばどんな?」


「話しかけてみるとか、そんなフツーなことでいいの。何もそんなハードル高いことしろって言ってるわけじゃないんだからさ、それくらいできるよね」


キワドイ表紙のマンガを片手に、そんな事語られたくないんだけど。


「それが出来たら苦労なんてしない、以上」


机に突っ伏すと、ゴンッという音がした。


「いったぁーい」


「バカなんじゃないの?」


情けない声を出すと、七ちゃんに一蹴される。


「言っておくけどね。新也くんはクールなだけで、何も話しかけにくい事はないんだからね!」


七ちゃんは男の子に夢を持ってるからそうなるだけで、実際クールな男の子なんて話しかけにくい以外の何者でもないよ!


「女ってビビリだよね。嫌われることしか考えてないし」


出ました、毒舌女王。