クーデレ君と微妙な関係

「そう、なのかな…」


はは、と力なく笑う彼女の瞳がわずかに揺れる。


「この際だから言っちゃうけど、あたし、どこに行ってもいらないって言われちゃうんだよね。

あたし、女優やってるお姉ちゃんがいるんだけど、あたしの方が任せてもらえる仕事が多くなったら途端に冷たくなった」


段々と小さくなる声は、かすかに震えている。


「この間も、いい友達だと思ってた同じモデルの子に無視されちゃったし。理由も教えてもらえなくて…。

ここでもそうだしね」


へへ、と私の方を見て笑った。


目の端で大きな雫が揺れて、落ちた。



「オレらにはお前のことなんか分かんねえよ」



私たちの間を鋭く裂いた、低い声。


「ちょっと、新ちゃん!」


「なに甘えてんだよ。愛想振りまいてれば助けてもらえるとでも思ったのか?」


何も新ちゃんは、理不尽なことを言っているわけではない。


今まで誰も、あとりちゃんにこの言葉をぶつけていなかっただけだったんだ。


誰も、あとりちゃんと真剣にぶつかることをしなかったんだ。