「なんで、って言われても…」


キッ、と大きな瞳で睨まれる。


「結局ね、あたしのことを囲んで騒いでる男なんてあたしの外見しか興味ないのよ!」


涙が、重力に逆らえず。


「そのくせに付き合ってくれだなんてさ、馬鹿みたいでしょ!」


何が彼女をそんなにも揺さぶってるのか。


私には全く見当がつかない。


「寂しい…の?
ほんとは、誰か大切な人に、来てもらいたかったの?」


「大切な人なんて…いないよ」


一呼吸おいて、


「みんな、あたしのこと捨てるのよ」