クーデレ君と微妙な関係

「あは、また抜け出してきたんだ。脱走癖のある人は大変だね」


「オレ、役者向いてねぇんだろうな」


何だろう、この異様な空気は。


2人とも笑ってるのに、どこかピリピリとした、張り詰めた何かを感じる。


「周りに迷惑だけはかけないようにしてよね。何があっても自分の役に責任を持つこと。
これ大原則の1つだから」


じゃあね、と長い髪を風になびかせどこかに行ってしまった。


「はぁぁ」


長く大きいため息。


「ど、どうしたの。いきなりびっくりした…」


「ちょっとお前こっち来い」


腕を引かれ、校舎の隙間に、


本当に誰の目にもつかない所に連れていかれた。