クーデレ君と微妙な関係

何が起こったか分からず、七ちゃんたちに助けを求めてみるけど、二人は見つからなかった。


「探してた。」


朝、私に声をかけたときとは全然違う。


甘ったるい、女の子の武器。


「ちぇ、結局こうなるのかよ」


群がっていた男子たちが、一気に散っていく。


「何でオレなんだよ」


心底面倒くさそうな表情。


でも、そんなのをお構いなしにあとりちゃんは、もっと新ちゃんとの距離を詰める。


見ているのが辛くなってきた。


「あとりが、新也くんがいいって思ったから?」


間違いない、あとりちゃんは新ちゃんを狙っている。


「はぁ、行くぞ十波」


大きくため息をついて、さっきまで自分がそうされていたように、私の腕を強引に掴んだ。