クーデレ君と微妙な関係

「あとりちゃん、もっと話そうよ」


「ねぇねぇ、いつでも頼ってくれて良いから」


男の子たちが、痒くなるくらい甘ったるいセリフを残していく。


でも、肝心の真ん中にいる転校生の姿が見えない。


「とにかく可愛いんだって。」


七ちゃんが私の横に来て、廊下を覗く。


「へぇ~。なんか、直接は見てないけど十分納得できる」


「あ、先生来た」


急いで皆が教室に入っていく。


「あの人か………」


腰まである茶髪は、きれいなストレートで、小さい顔。


加えて大きな瞳に、うっすら上気した頬。


(あれでモテないわけは、ないね)