クーデレ君と微妙な関係

教室に入ると、いつもと何一つ変わらない光景が広がっていた。


「あれ?……え?」


開いた口が塞がらない。


「あ、おっはよ~十波!」


迷惑そうにしている新ちゃんを、元気な七ちゃんと、紅真くんが…。


「昨日はごめんね!ちょっと取り乱しちゃってさ」


「あぁ……まぁ元気なら良いけど」


心配して損した。


「で、何でいつも以上にはしゃいでるの?」


正直言って、少しうるさい。


「知らないの!?隣のクラスに可愛い女の子が引っ越してきたんだよ!」


目を輝かせて言ったのは紅真くん。


「こんな時期に転校生?」


七ちゃんに頭を思い切り殴られている紅真くんを横目で見ながら、隣のクラスに目を遣ってみると。


(うわぁ……すんごい人だかり)