「すいません。オレは大丈夫なんで、家に連絡してもらっていいですか?」


十波が抱きついてくる。


「別にいいのよ。そんなに甘やかさなくても……」


「いつも学校で割としっかりしてるるんで、今日くらいはいいんじゃないですか」


「そうなの、悪いわねぇ。」


違う。こんなの言い訳だ。


ただ、少しでいいから、十波と一緒にいたいだけだ。


オレに抱きついた事も、どうせ明日になったら忘れているんだろう。


だから、今日だけはお前の近くにいたい。