「どうしたフユキ。まだ起きてたのか」

俺の帰宅時間は夜10時。

いつもならとっくに眠っているはずだが……

抱き上げようとした俺の手からサッと逃げると、フユキは奥を指差しながら言った。

「オトモダチ、来てるノ」

「オ、トモダチぃ~~⁉こんな時間にか」

フユキはニッコリ頷くと、俺の手をグイッと引っ張った。

「ハヤクッ」

かろうじて靴を脱ぎ捨てて、手を引かれるままに俺は、リビングルームに向かった。

全く誰だ、こんな夜遅くに……
マサカ男じゃねぇだろうな。


リビングのドアは少し開いて、隙間から明かりが漏れている。

おかしい…

いつもなら1人でも騒がしいトーコが、トモダチがいるというのに、話し声さえ聞こえてこない。

「ま、待て、フユキ…」

そんな俺の胸騒ぎを汲み取るはずもなく、フユキは天真爛漫にドアを開け放った。

「かあさん、オネエサン。
とうさん、かえってきた~~‼」


ムスコの後ろに立っていた俺は____


絶句した。