「…ねえ、大神さん…
私の本性を知った上で、あんな風に言ってくれた人って…初めてだったんだ。
ほらぁ『本当の相手に尽せ』って……」

「……そ、そうだっけ」
反復するな。
恥ずかしくて死にそうになる。
 
「あれから私ね、ずっと考えてたの…私の本当の相手。私を分かってくれる誰か」

彼女は、キラキラと輝く瞳で俺を見つめた。
「そう、アナタだって気付いたの」
「い、イヤ違うだろ…絶対」

彼女は目をキラキラさせたまま、タジタジと後ずさりした俺の方へ一歩迫った。

「私ね、結構尽くすタイプなの。
2番目でも、家庭持ちでも構わない。バレないようにもちゃんとする。
だから、ね?
今、フラストレーション溜まってるんでしょ?」

「ななな…何を言って…イルノ?」

確かに欲求不満はマックスだ。

後ずさりながらも、頭は小狡く計算している。

確かにさあ…バレなきゃ良くね?

一瞬差した魔。


指先まで美しく整えられた艶かしい白い腕が、悪魔のように甘美に誘い、ついフラりと引き寄せられる。

我が意を得たりと、彼女が妖しく微笑んだ。
肩に彼女の腕がかかった。