「と、燈子のとこはね、仕方ないんだよ?ホラ2人きりで、旦那さんも夜遅いしねっ……これ、ゆりちゃん‼」 

母が義姉を肘でつつく。

「へ?…あ、ああそうホラ。蒼士クンは大神さんと違って頼りないしね」
「なんですって~、うちのムスコにっ」

掴み合いを始めた二人をよそに、表情が硬くなるのを隠せない。

彼と離れて、ちょっとナーバスなのかもしれないけれど。

2人きり…の家族かぁ。

私だけ皆に囲まれてて……
でも、彼は?

『気を付けて、元気でな』

最後に交わした言葉の弱々しさが、妙に心残りでいけない。

しっかりしてるって皆は言うけど、
意外と寂しがりなんだよね。