それがまさか……
ちょっとコレは許せない。

そして更なる因縁が。
そう、大神秋人は過去に私が唯一
喰いそこねた男。

彼がまだ業務課長だった頃。社内対抗ソフトボール大会の打ち上げの時だ。

当時、庶務1課の私は彼にガッチリ狙いを定め、冴えない引き立て役を連れて、話し掛けに行ったのだ。

するとコイツ、あろうことか肉感的セクシー美女の私を差し置いて、刺身のツマのような、引き立て役に言い寄りやがった。

プライドを打ち砕かれて、私は暫く自分探しの旅に出た。


……よし、決めた。

5年前の雪辱戦。
ネームバリューもバッチリだ。

聞けば彼、一夜なら誰とでも寝る男。
だが私は
そんな容易(たやす)いものは要らない。

私がホンキで男を落とすとき。

身も心も虜にして、仕事も家庭も全てを奪った上で、私の足下に跪かせる。

私、板倉愛美は

大神秋人を追い込んで、
再び女王へと返り咲く___