さらに時は進むーー
眠ってしまった燈子を膝枕に乗せ、ヨシヨシしていた俺に、酔眼の熊野が我慢しきれない様子で訴えた。
「…オマエらが “仲良し、かつシアワセ”なのは、よぉ~く分かった」
「いいだろ、ウラヤマしいだろ」
ヤツは“チガウ!”と首を横に振った。
「だけどな、大神。
男として…なにかが許せん。それでいいのか九州男児!
オマエが……ニヤけてんのが気持ち悪すぎなんだよっ、ヒトとして情けねえよ。ええ?」
「…しっ、静かに。燈子が起きてしまう」
人差し指を口にあて、荒ぶる熊野を嗜める。
「…いいじゃないか」
幸せそうな夢の中、膝上でふにゃっと笑っている燈子。
その顔に掛かった栗毛を、人差し指に巻き付けて弄ぶ。
「……この表情(かお)がな。
ツマらん俺のプライドに優先すると……この頃いつも思うんだ」
熊野のヤツは、諦めとも安堵ともつかない奇妙な顔をした。
眠ってしまった燈子を膝枕に乗せ、ヨシヨシしていた俺に、酔眼の熊野が我慢しきれない様子で訴えた。
「…オマエらが “仲良し、かつシアワセ”なのは、よぉ~く分かった」
「いいだろ、ウラヤマしいだろ」
ヤツは“チガウ!”と首を横に振った。
「だけどな、大神。
男として…なにかが許せん。それでいいのか九州男児!
オマエが……ニヤけてんのが気持ち悪すぎなんだよっ、ヒトとして情けねえよ。ええ?」
「…しっ、静かに。燈子が起きてしまう」
人差し指を口にあて、荒ぶる熊野を嗜める。
「…いいじゃないか」
幸せそうな夢の中、膝上でふにゃっと笑っている燈子。
その顔に掛かった栗毛を、人差し指に巻き付けて弄ぶ。
「……この表情(かお)がな。
ツマらん俺のプライドに優先すると……この頃いつも思うんだ」
熊野のヤツは、諦めとも安堵ともつかない奇妙な顔をした。



