「そうなんですよ!
あのね、オナカがおっきくなるのって、7ヶ月くらいなんですって。
あ、ちょっと触ってみます?
シアワセになれるそうですよ。
何でもパチンコ玉が、たくさん出るとか出ないとか…」

「へぇ~、別にパチンコはしないけど…」

言いながら触れようとする熊野。

ちょうど部屋に戻った俺は、その手を足で蹴り上げてから、テーブルにトレイを置いた。

「って~な。ナニすんだよ!」
「触るな」
「何でだっ」

…言っておくが俺様、
例え大昔にコイツと燈子に何かあったとして、
それに拘(こだわ)るようなセマい男ではない。

ないからな!
 

「……しかしオマエが父親になるなんて
ちょっと信じがたいよな~、大丈夫かホント」

俺は大仰に溜め息を吐いた。

「実は少し…後悔している…
ヤハリ作るべきじゃなかったのかもしれない…」

「秋人サンっ、そんなぁ」
 
燈子が悲しげな声を上げる。