幸せになりたい





「父さん、そこまで考えてくれてたのか。」

「久しぶりの孫だからな。当たり前だ。」

おじい様はそう言いながらも少し照れている様子だった。

私みたいに嫌われないといいな。

大事ないとこなんだから。

そのとき、分娩室の電気が消えた。

中からしずくさんの担当をしていた、医者が出てきた。

「奥さんは今休んでおられます。お疲れ様と声をかけてあげてください。」

みなみさんをしずくさんのところに案内して医者は戻っていった。

「しずく、お疲れ様。よく頑張ったな。」

「ありがとう、みなみくん。それとさっきは追い出してごめんね。」

「出産の時は大変だから、構わないよ。」

みなみさんはしずくさんの隣にいた小さな男の子を抱き上げた。

「この子が俺たちの子どもか。これからは三人で幸せに暮らそう。」

「そうだね。この子の名前はどうするの?」

「それは、父さんが決めてくれた。」

「なんて言う名前なの?」

「燈真だ。真実を見失わないようにとこの名前を考えたらしい。」

「そうだったの。お義父様とお義母様に挨拶しなきゃ。」

「しずくが落ち着いたらにしよう。」