私は扉の向こうで聞いているであろう若頭に声をかけた。
「どう思いますか?若頭さん。」
組長は若頭が外で聞いていたとは全く思っていなかったらしく、物凄く驚いていた。
「お、お前がなんでそこにいたんだ!?」
「親父、見損ないました。あんたにはこの組を続けていく資格はない。これからは俺がこの組を背負っていきます。」
若頭は組長に向けてそう言い放ち、私に体を向けた。
「金代組組長、うちのもんが失礼しました。この組は俺が正していきます。どうぞ、弟をよろしくお願いします。」
「はい、分かりました。お義兄さん。いえ、南沢組組長。南沢組の内情が整いましたら五分の杯を。
では、これにて失礼させていただきます。」
私は現組長に頭を下げて裕也のもとへ向かった。
「裕也、話は終わったよ。南沢組組長は今日限りで代替わりをした。それから現組長が弟をよろしくだって。」
「そうか。俺は兄貴にだけは愛されてたんだな。ありがとうな、つぼみ。」
裕也はそう言って、私の頭を撫でた。
「行くか。」
裕也はさりげなく私の手を握って南沢組を出た。

