奥の部屋から出てきた一人の男がそう言った。
「金代さん、すいません。親父が迷惑かけて。」
「ああ。」
「うるせぇ!てめぇは黙ってろ!」
兼城の次男か?
「兄貴もやめろよ。親父も兄貴も母さんが生きてるときはまともだったじゃねぇか。極道だけど悪いことには手を染めてなかったのに。母さんが病気で死んだ途端に麻薬に手ぇ出しやがって。嫌がってる構成員を殺して。全員が仕方なくやった麻薬も今ではそれがないと生きていけねぇ。親父も兄貴も糞だよ。」
「お前に俺の気持ちがわかるわけねぇだろ!」
「ああ、わかんねぇよ。でも俺だって母さん亡くして壊れそうだったさ。それを抑えて今は普通に過ごしてんだろ。」
兼城組は確かに三年前までは正当な組だった。
2年ほど前にいきなり変わったと思ってたが奥さんが死んだからだったのか。
「金代さん、こんな親父と兄貴を刑務所に送って罪を償わせてやってください。」
次男はそう言って頭を下げた。
「兼城組はどうするんだ。」
私は頭を下げている次男に向かってそう言った。
「俺が再興します。一からやり直します。」
「なら、私たちの傘下にならないか?」
次男は驚いたようにこちらを見た。
「いいんですか?」
「ああ、自分の意思を持っている奴は傘下にほしいからな。」

