幸せになりたい






明日斗さんに電話を切られたあと、すぐにみなみさんから電話がかかってきた。

「もしもし、みなみさん?」

「もう、俺の店には来てくれないのか?」

みなみさんと話したのは私の正体が緋向にばれて以来だった。

「当分は行けそうにないです。私、半年ほど前に金代組を継いだので。」

「そっか。そうだろうとは思ったよ。でも、そのうち来てくれるんだよね?」

「はい。そのつもりです。」

「よかった。俺もかわいい姪っ子の顔を見れないのは嫌だからね。」

みなみさんにそんなこと言われるとは思わなかった。

「ありがとうございます。」

「じゃあ、忙しいみたいだし電話切るね。」

「失礼します。」

私はそう言って電話を切った。

「みなみ坊ちゃんですか?」

ヤスは私の母さんが生まれたくらいから金代組にいた。
だから、みなみさんのことも知っている。

もちろん、私のせいで母さんが死んだから明日斗さんたちに嫌われてることも知っている。

「うん。みなみさんだけは唯一私のことを恨んでいないから。」

「そうですか。もうすぐ兼城組に着きます。屈んでてくださいね。」

ヤスがそういうとヒデが車のスピードを上げた。

「行きます!!」

ヒデがそう言ったのと、門扉が壊れたのは同時だった。

「な、なんだ!?」

兼城組の構成員が麻薬で虚ろな目をこちらに向けながら近付いてきた。

ヤスはそいつの足を銃で正確に打ち抜いた。

そいつは足を抱えて喚いていたが、そこにヤスが手刀を入れて気絶させた。

「みんな!行け!」

私は隠れていた金代組の若衆に聞こえるように大きな声で言った。