全員そろったのは5分ほどが経ってからだった。

「今日、私が乗った車が兼城組の構成員に襲撃された。幸い私もヒデもけがをしなかったが、もうこれ以上兼城組のことを放っておくことはできない。10日後の午後16;00ごろに兼城組を潰す。」

「マジすか?」

「ああ。各自、しっかりと準備しておくように。あと、皆死ぬなよ。私にはここにいる全員が大切だから。」

私はおじい様のところへ向かった。

おじい様の部屋はこの間までいたところではなく、おばあ様とともに離れに移った。

「おじい様入ってもよろしいでしょうか。」

「ああ。」

「失礼します。」

おじい様は、おばあ様と一緒にテレビを見ていた。

だが、私の真剣な顔を見て、おじい様も真剣な顔になった。

「何があった。」

「今日、会社からの帰り道に兼城組からの襲撃を受けました。相手は一人でしたが拳銃を持っていました。」

「で、お前はどうするんだ。」

おじい様は私を試すかの様にそう問うた。

「10日後の午後16;00に兼城組に乗り込みます。その許可を、もらいに来ました。」

「許可なんぞいらんだろう。今の組長はお前だ。その判断が良くても悪くても口は出さない。好きにやりなさい。」

おじい様はいつの間にか寝てしまっていたおばあ様の頭を愛おしそうに撫でた。

「つぼみ。お前に縁談が来ている。会うだけ会ってみなさい。」

おじい様はそう言ってベッドがある場所までおばあ様を抱き上げて行った。

私は静かに離れを出て、部屋に戻った。

今日はデスクワークをやるつもりだったが、少し仮眠を取ることにした。